NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信86号(2016年5月号)

                新年度を迎えて

                             理事長 金治憲

 新緑の美しい5月’‘爽やかな5月’というのに、熊本地震が起こって一カ月半、未だに熊本ではまだ余震が続いています。一万人近くの方たちが、今なお避難所での不自由な生活を余儀なくされているとのこと。熊本在住の私の友人は、今は自宅で生活できてはいるものの、夜休む時は昼間の服装のままだそうです。其れでは疲れも取れないことでしょう。一日も早く、平素の生活に戻れるよう祈るばかりです。

 皆さまお元気でお過ごしでしょうか。皆さまのご支援のおかげで、また、この2016年度をどうにかスタートすることができました。

 昨年度を振り返りますと、その都度会報でもご報告してきましたが、成果らしい成果といえば、受講生たちが一番に望んでいたショッピングモールでのあん摩デモンストレーションが実施できたことでしょうか。その他に課題としていた治療院開設、ケニア人のあん摩指導者養成の件では、いずれも進展をみることはできませんでした。

 実際、昨年度の段階では、ジェンガさんを中心に受講生たち自身で、治療院開設に関してはNCPWD に、あん摩指導者養成に関してはKISE に働きかけて行くことを、かなり具体的に決めていたので、私としてはASAAVIKの成長、と嬉しく感じ、見守ってきたのですが、動いた様子は見られませんでした。このままの状況では今後の進展は望めないだろうと思わざるを得ません。今までの体験を振り返ってみても、ケニア人は顔を突き合わせて話し合っている時にはそれに賛成し、進めましょうと言ってくれるのですが、いざ実行の段階になるとなかなか進まないのです。

 そこで今年度からは、事業推進のために、現地スタッフを一名お願いしたい、と考えるに至りました。

 財政的なことでいえば、昨年度は約100万円の赤字でした。また現在の厳しい経済状況からしても、寄付金が増えるという見通しも持てません。しかし、今までの成果として二桁のケニアの視覚障害者があん摩で自立していることは事実です。これこそICAの目標です。これからは、なんとしても、あん摩をケニアの視覚障害者の仕事としてケニア社会に根付かせたいと願っております。

 ここまでも皆さまに、多大なご支援を頂いてまいりましたが、ICAの事業、台所事情をもご理解いただき、なお一層のご支援を切にお願いいたします。

 今号に、振替用紙を同封いたしました。既にご寄付をお送りいただいた方もありますが、事務処理上全ての方に同封させていただきました。

 最後に、皆さまのご健康を心よりお祈りいたします、

 ************************************

 

             ⑪ ケニアの食生活

                              山平 健人

 ケニアでは、食生活も都会と田舎では結構違っています。まずは都会の生活ですが、私がホームステイさせていただいていた家庭では、朝はパン(日本ではサンドイッチ用に売られているような薄くカットした食パン)とチャイ(あまーいミルクティー)を食べていました。スワヒリ語で紅茶をチャイと言いますが、チャイというのはインドの飲み物のイメージがあるかと思います。ケニアもインドもイギリスの植民地であった時代がありますので、その名残で共通点が多いのでしょうね。

 さて、そのチャイはそれぞれの家庭の経済指数を表しているという面白い見方もあります。裕福な家のチャイはあまーいミルクティー、好みもあるとは思いますが、甘さの程度によりそれぞれの家庭の経済状況が分かります。また、経済的な余裕がなくなるについて、ミルクティーからストレートティーになり、かつ甘さが薄れていきます。全てのケニアの家庭を調べた訳ではありませんが、おおむねこのチャイによる家庭の経済状況判断は間違っていないという自信があります。 チャイ(紅茶)について確実にいえることは、ケニアの人は皆ケニアの紅茶が世界一だと誇りに思っているということです。

 お昼ご飯については、私がホームステイさせていただいた家庭では、食べたり食べなかったりでした。ただ、街に出ると普通にランチタイムにはお店に人が集まっており、都会ではある程度お金に余裕のある人が増え、ランチを食べる人が増えてきているのだと思います。

 夜はほとんどの家庭で、ケニアのソウルフードであるウガリ(トウモロコシの粉をふやかして作った蒸しパン)を、野菜を煮たスープに浸して食べるようです。たまにウガリがチャパティという薄焼きパンになりますが、チャパティは油を結構使うので、頻繁には食べないようでした。また、スープの具もたまに魚が入ったり、ごくたまに肉が入ったりという感じでした。そして夜のウガリが朝ごはんになることもありました。

 先程はさらっと説明してしまいましたが、ケニアのソウルフードであるウガリをなくして、ケニアの食生活は語れません。ウガリとは先の説明の通り、トウモロコシの粉をふやかして作った蒸しパンで、大きな鍋で作ってそれを大皿に乗せて食卓に置いて、皆で切り分けて食べます。

 ウガリの食べ方についてですが、ウガリ自体にはほとんど味がありませんので、副菜のお汁に浸して食べるのが基本です。また、ウガリをちぎってそのまま指先で丸めてから、副菜のお汁に浸して食べるのですが、ケニアの方々は器用に親指と人差し指、中指だけで上手く丸めて食べています。これが意外と難しい! 何度もウガリを食べていないとなかなかうまく丸めることができません。スムーズにウガリを丸めて食べることができれば、現地の人からは『おっ、こいつ、なかなか分かってるな』と思われるはずです(笑)。

 本当かどうか分かりませんが、ケニア人はウガリの丸め方や丸める時間の長さによって出身地方が分かると言っていました。それくらいケニアの人々はウガリの食べ方にはこだわりがあるようです。

                               つづく