NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信85号(2016年3月号)

             桜の季節になりました

                            金 治憲 

 暑さ寒さも彼岸まで、といいますが今年はどうやらはずれのようです。

 桜の開花宣言は出たものの、今も寒い日が続いています。その分桜を楽しめる期間が長いことを期待することにしましょう。

 今回、昨年11月のデモンストレーションでお手伝いしてもらった交換留学生の伊藤さんに、ナイロビでのその後の状況など書いてもらいました。大変な頑張り屋さんのようで、大学での講義は、きちんと予習をしていかないとなかなか難しいものです、と忙しそうですが、様々な機会に、現地のボランティアの方々と共に熱心に支援してもらっています。

 現地ボランティアの方々は、日常的に現地にはいない私たちにとって、実にありがたいです。心より感謝申し上げます。

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                ケニアから

                             伊藤 憲子

 ケニア・ナイロビにある大学に交換留学をしております、創価大学3年伊藤憲子と申します。大学の授業を受けながら、授業のない時間帯にチャイルドドクターというケニアで活動をしている日本のNPOでボランティアをさせていただいております。

 チャイルドドクターはスラムに住む子ども達、孤児院で生活する子ども達への医療支援を行っています。そしてそれと同時に、ケニアの視覚障害者の方々のあん摩マッサージの活動の支援も行っています。そこで私も、あん摩を行う視覚障害をもつ方々の団体ASAAVIKのお手伝いをさせていただいています。

 あん摩はケニアに住む視覚障害をもつ方々にとって、自分で生計を立てていく為に本当に重要な手段だと思います。ただでさえ職を見つけるのが困難なここケニアで、障害をもつ方々が職を見つけて自分の力で生活していくことは本当に難しいのです。そのため、自らの手だけで行うことのできるあん摩は、ケニアの視覚障害をもつ方々に経済的自立の機会を与える本当に重要なものだと感じます。

 

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  Nairobi International cultural festivalでのデモンストレーション風景

 

 しかし、あん摩の技術を身につけた方々も、ここケニアで仕事の機会、つまり多くの顧客をみつけるのには多くの課題が存在しています。その中でも一番大きいのは、ケニアでのあん摩の認知度がきわめて低いということです。ASAAVIKは今現在そこまで大きな団体ではなく、活動もまだまだ始まったばかりですので、より多くの方々にASAAVIKについてあん摩についてしってもらう必要があるのです。

 そこで私たちが取り組んでいるのが、デモンストレーションの開催、SNSの活用、チラシの掲載と配布です。第一にデモンストレーションでは、ショッピングモールやイベントなどにおいて、無料もしくは低価格で15分間ほどあん摩を体験していただけるブースを設置しました。私がお手伝いさせていただいたのはモールでのデモンストレーション1回と、日本人会バザーとNairobi International cultural festivalでのデモンストレーションです。どの会でも多くの方々にあん摩を体験していただき、多くの方にまた利用したいと言っていただきました。特にInternational Cultural Festivalでは、ケニアに住む多くの国の方々が集まったため、日本人に限らず多くの国の方々にあん摩を知っていただけた非常に良い機会となりました。

 実際に体験していただく以上にあん摩をよく知っていただく機会はないと思います。そのため、あん摩師の顧客を増やすためにもデモンストレーションは効果的な機会だと感じます。第二に、SNSの利用です。ASAAVIKはFacebookページがありますが、それを積極的に活用し広報活動を行っています。ケニアではFacebookが非常に多くの人に使われておりますので、ASAAVIKの参加するイベントの告知や報告などに積極的に利用しております。第三にチラシを積極的に利用し広報活動を行っています。オフィス周りの食堂やスーパーマーケットなどに掲載させていただき、多くの人が見ていただけるように工夫しています。オフィス周りの食堂を訪れた際には、食堂を仕切る女性の方に、広報するために実際に自分があん摩を体験したいと言ってもらい、少しデモンストレーションを行うと本当に喜んでくれ、さっそく食堂にいた人々に宣伝をしてくれました。

 非常に地道な活動だとは思いますが、少しずつあん摩師の顧客も増え、成果も現れてきているのではないかと思います。また、これらの活動は多くの方々のサポートがあって成り立っていると実感します。オフィスの場所を提供してくださっているチャイルドドクター、デモンストレーションの計画、準備、運営に携わってくださる多くの方々に支えられてこれまで活動を行ってくることが出来ました。私自身、素敵なASAAVIKのメンバーとそれをサポートしてくださる方々と一緒に活動を行う事ができて本当に嬉しく思っています。

 「ケニアでマッサージといったらあん摩!」とケニアに住む誰もが言ってくれるような日を目指して、ASAAVIKのメンバーとそれを支えてくださる多くの方々と共にこれからもポレポレ(スワヒリ語で、ゆっくりゆっくり)で活動していきたいと思っています。

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         ⑩ ケニアの日常生活 続続(No.84から)

                              山平 健人

 次に、田舎での生活ですが、私の見たケニアの田舎はものすごく刺激的でした! まず、人がとにかく明るい!ケニアの人は都会でも明るい人は多かったのですが、田舎の人はそれに輪をかけて明るい。何かあると歌い、踊ります。そしてとても純粋です。

 ケニアの田舎の生活は、都会の生活と大きく違う点があります。それは女性が働き、男性は何もしていない(ように私には見えました。)という点です。

 市場でも、お店でも多くは女性が働いており、男性が働いている姿を見かけるのは、ごく少数でした。 では男性は何をしているのか? 道端でボーっとしています。(少なくとも私にはそう見えました。)

 また、田舎では子供たちもよく働きます。私のホームステイ先の子供は朝から牛のえさやり、野菜の世話、収穫、学校へ行く子供は学校へ行き、学校へ行かない子供は、薪割り、昼を挟んで、薪割り、牛の世話、というように、とにかく良く働きます。そして、夕方は村の子供たちが集まり、サッカーをしていました。 女の子は女の子で歌を歌ったり、布を丸めたボールで遊んだりしていました。

 田舎は都会と比べるとインフラも充実しておらず、電気や水道のない地区も多くあります。また、お店なども少なく、生活物資も充実していません。ただ、その分田畑があるため、食料に困るという状況ではないように思いました。 食料で困るのは、田畑で農作物がうまく育たなかった時だと思います。幸い私がホームステイ中はそのようなことはありませんでした。

 私のホームステイ先は、地元の学校の教師をしている人の家だったので、まだ裕福な家だったのだと思います。家もコンクリート造りでしたし、家の中にもある程度の家具が揃っていました。また、大きな倉庫があり、そこで今度お店を始めるのだといって、色々と準備を進めていました。

 ただ、村の中には土壁の家も多くあり、田舎でも貧富の差が大きくなってきているのだということは分かりました。

 しかし、田舎では困っている人には裕福な人が支援をするという状況が自然にあり、誰かが食べるものもなくて困っているというような状況は見られませんでした。(これもあくまで私の見た限りですが) 田舎ではかなりキリスト教が厚く信仰されており、それが要因なのかもしれません。                   

                              つづく