NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信83号 (2015年11月号)

 

           3カ月ぶりのデモンストレーション

                         理事長 金 治 憲

 

 地球温暖化が問題となって久しいですが、今回、11月のナイロビも季節外れの大雨でした。 同行の森山さんによると、毎日降る雨のおかげで、今までになく緑が美しいということです。ナイロビ滞在の前半は、夜になると激しい雨が降り、夜明けとともに上がる、という都合のよい雨でしたが、後半に入ると、昼間も短時間ですが、大変激しい雨が降りました。ゲストハウス付近の道路には水が溢れ、狭い歩道も水溜まりだらけ、車道も車が通るたびに盛大に泥水が跳ね上がります。見えない人々にとっては実に歩きにくい状況です。

 前回のケニア訪問では、オバマ大統領の来訪と3日間が重なり、大がかりな交通規制のために、あれこれの用事が予定通り進まず、ずいぶんイライラさせられましたが、今回もまたローマ法王の来訪と重なり受講生たちの移動が難しく、3日間予定していた講習も2日間にせざるを得ませんでした。

 さて、肝心なあん摩デモンストレーションですが今回やっと実施することができました。2013年のテロ以来、外務省の海外安全情報では危険度レベルが引き上げられたままで、依然として人の集まる場所などには行かないように、と注意されています。この状況では、今までのように在ケニア大使館やJICAの支援を要請することも出来ず、現地での準備がいったいどの程度出来るだろうかと心配でしたが、まさに“ 案ずるより産むが易し”で、現地マネージャーを引受けてくれたピーター・キム氏をはじめ日本人5人を含む総勢8人のボランティアの協力で無事、終えることができました。

 受講生たちにとっては、待ちに待ったデモンストレーションです。皆おおいに張り切ってナイロビ在住の9名が参加しました。 先回(2012年)のデモンストレーションでは結果的に、予定時間を超えて休憩もなしで2時間半となってしまったので、今回は、受講生たちの疲労度を考え、1時半から3時までと提案しました。しかし、「疲れるからって・・・せっかくのデモなのに?!」といった雰囲気で5時までという声もありましたが(とんでもない!)結局4時までとなりました。さらに、始まりも、いつもの集合状況と違って、彼らは早々と1時前には会場に到着し、私たちを待っているという状況でした。彼らは変ったなあ・・・と思ったことです。

 会場のThika Road Moll(TRMとよばれています)は、ナイロビの大きなショッピング・モールの中では新しく、市の中心からはちょっと遠い、大きな幹線道路沿いにありました。呼び込みを始めてみると、私たちの心配とは裏腹に人も多く、しかも現地人が圧倒的に多い所でした。先回デモンストレーションをやった、市の中心に近いナクマット・ジャンクションでは、見たところ通行人の85%は外国人、という感じでしたが、こちらは85%が現地人と見えました。

 現地人に、まずはあん摩を知ってもらってあん摩を広げていく事が課題の一つだと考えている私たちにとっては、願ってもない所でした。今のところ、受講生たちのクライアントは、やはり外国人の方が多いです。長い休暇やクリスマス、任務の終了、社会状況が不安定、危険となれば自国へ帰ってしまう人が多く、受講生たちはその度にクライアントを失うことになるのです。

 建物の入口から続く広いコンコースの片側に椅子を9個並べ看板を立て、みな白衣を着て日本から持参した手ぬぐいを出してスタート。    

 看板の前に立ち止まる人や通行中の人へ、用意したビラを渡しながら、あん摩体験を勧めました。あん摩とは?を、簡単に説明した文章と受講生たちの電話番号、彼らが治療する場所として確保したチャイルド・ドクター・ケニアの地図を載せたビラを200枚用意して行ったのですが直ぐに足りなさそうになってきました。ボランティアのヘンリーさんが、100部コピーして来ます、とモールの奥に走っていったのですがなかなか戻ってきません、出来たはじからでも貰って来ようにもどこへ行ったのか・・・と思っていると50部程を持ち、走って戻ってきました。コピー機が壊れてしまったとのこと。とうとうモールの外に行って100部を持って来てくれたのですが、そこでも途中でコピー機が壊れて、もう1か所の所に行ったとのこと。そんなに簡単に壊れるとは・・・。結局350部全てを人々に手渡すことが出来ました。

   この間にあん摩を体験した人は130人強、どの人もあん摩体験をとても喜んでくれました。受講生たちも、お客さんの話をよく聞きながら楽しそうに手を動かしていました。気持ち良かった!肩が軽くなった!などなどの感想を告げられて、とてもうれしそうでした。 

 

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 さて、翌日は、講習と話合いだったのですが、早速3人にクライアントからの予約があったとのこと。うち一人はこの日が予約と重なって欠席でした。これからの広がりを期待したいものです。

 最後になりましたが、今回のデモンストレーションは、皆さまからのご支援に加え、当協会理事・足立房夫氏のご尽力で『公益信託東京日本橋ライオンズクラブ立川福祉基金』の助成金交付により、実現いたしました。2012年の英語点字版あん摩教材作製、配布事業に続く2度目の援助です。実に有難く、心より感謝申し上げます。

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今回、デモンストレーションの様子を、ピーター・キム氏がインターネット上のYOU TUBE にアップしてくれました。会場の雰囲気が良く伝わってきます。YOU TUBE に入って ’ asaavik ica ‘ と入れて検索してみてください。

また、ボランティアの塚原朋子さんも、ASAAVIKのFacebook を作って応援してくれています。こちらは、ご利用のブラウザで ‘asaavik anma’   と入れて検索してみてください。

現地の皆さまからのご支援も、ありがたく、心強い限りです。

 

 ************ 年末ご寄付のお願い ***********

 

 早いもので、また年末ご寄付をお願いする季節となりました。私たちの経済・社会環境は厳しくなる一方、という状況でお願いするのは心苦しいばかりですが、何卒ご支援をよろしくお願いいたします。

 少し早いですが、今号が今年最後の通信です。みなさま、どうぞお元気で良いお年をお迎えくださいますようお祈りいたします。