NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信82号 (2015年9月号)

 猛暑の夏が終わりました。みなさま、お元気でいらっしゃいますか。

今年も例年にない「線条降水帯」の長時間にわたる停滞で豪雨となり、大きな被害が出ました。年ごとに、例年にない、が更新されているように思えます。

加えて、あちこちで火山の噴火も相次ぎ、自然も、安保法案をめぐって日本の社会も新たな活動期に入ったようです。

 そろそろ夏の疲れが出るころですが、天候不順の折、どうぞご自愛ください。

 

            ASAAVIK ’の発芽  その2 

 

 彼らは、ASAAVIKとして実際に公共機関に関わるようになって、初めて団体として認可されたことの有用性を実感したようです。ナイロビ市でのあん摩指圧クリニック営業許可証申請の時は‘認可された団体’としてスムーズに手続きが進んだ、とASAAVIKの役員をしているエドナさんが嬉しそうに許可証を見せてくれました。現在、ナイロビ市の障害者支援の3つの機関に開業のための補助金申請をしており、営業を始めた時のために税金免除の申請もしているとのこと。

 早速、ビトリスさんとパメラさんに案内されてクリニックとして借りた場所へ行って来ました。案内されて・・・と言っても見えない彼らが、しかもまだ行き慣れていないところで道案内をするのですから、なかなか大変なことなのです。

 ゲストハウスで知り合った友人で、何時も何くれとなく私たちに協力してくれている、ピーター・キム氏が、大まかな地図を見て、ここから近くですよ、行ってみましょう、と快く自分の車を出してくれました。

 大体の道順は彼らの頭に入っているらしく、言われるままに大通はスムーズに走ったのですが、目的地に通じる小さな通りへの入り口を探すのが大変でした。森山さんが見える景色を彼らに説明しながら、まだまだ、だとか、行き過ぎた、だとかを繰り返し、やっと大通りから折れて静かな住宅地らしき通りへ入りました。しばらく行くとゲートの上に住宅番号と、チャイルド・ドクター・ケニアと書かれたプレートが見えました。ピーター・キム氏によると場所としては、環境も良く来やすい所だそうです。

 ナイロビ郊外の町では、建物は、ほとんど高い塀や密生した生垣に囲まれていて、通りに面した大きなゲートがあり、警備員さんがいます。住人や来客は、ゲートに付けられた、人が一人出入りできる程の小さなドアを使います。もちろん車にはゲートを開けてくれますが、それが、一般の集合住宅でも戸建住宅でも、レストランやホテルのようなお客さん相手のところでも普通のようです。塀の上の方まであるような大きなビルやマンションでもないかぎり、塀の外からは中が何なのかわからず、慣れない外国人には不便です。

 さて、ゲートを入ると、塀の中は広々とした敷地で、その一画に、コンテナを数個並べたチャイルド・ドクター・ケニアがあり、その一番奥にある1個を借りたのでした。

 コンテナに足を踏み入れたとたんに、埃っぽい空気、カビの臭いもします。窓はあるのか、と思わず確認せずにはいられませんでした。小さい窓があるとのこと。今まで、倉庫としてでも使っていたのかなあ、という感じでした。

 中は2部屋に区切られていて片方は治療室、狭い方の片方は事務室として使うとのこと。治療室にはベッドが2台、事務室には長机が一つありました。これから、内外の壁を塗って、床にはカーペットを敷いて靴を脱いで使うということです。

 実際のところ、クライアントがここに来てくれるだろうか、家賃は払えるのだろうか、と心配になりましたが、彼らが治療する場所が欲しいと、彼ら自身で一生懸命探してここまで来たのですから、今は少しでもことが上手くいくように応援しながら見守っていくしかありません。ありがたいことに、チャイルド・ドクター・ケニアのスタッフも協力的です。

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             安徽省の盲人事情

                            李 雁 雁

  中国の人口は13億6000万人、その中8000万人の『残疾人』がいます。

中国語では障害者を残疾人と言います。安徽省は中国の中東部にあり、総面積は14万平方キロメートルで、人口は7000万人、そして残疾人は400万人いるといわれています。ここでは、筆者の住む安徽省池州市の盲人事情を、読者に簡単に紹介します。

 池州市は、安徽省の南部にあり省の南部を流れる揚子江の南にあります。上海から西へ500キロメートルの所にあり、行政区分5つの県に分かれています。【中国では、市は、県を管轄している】(日本とは逆です)

 池州市の地形は、主に低山丘陵であり、人口は相対的に少なくて、今では総人口160万人のうち盲人は13000人います。

 

                 1 教育

 現在、池州市では特殊教育学校は、一ヶ所設置されていますが、そこには盲人教育部(盲学校)はありません。盲学校に通うには、安徽省以外の省に行かなければなりません。大人の盲人向けの職業訓練所はあります。以上の教育はみな無料です。

                 2 職業

 世界中と同様、盲人の就職率は低いです。あん摩マッサージは一番よくある仕事です。池州市では、現在30人の盲人があん摩マッサージ関係の仕事をしています。普通は規模の小さい、職員1~3人くらいのあん摩マッサージ院で働いています。そして人によって受けたマッサージ技能訓練の教育程度の差も大きいです。3ヶ月くらいから4年までのマッサージ専門課程もあります。中国政府は盲人のあん摩マッサージ就職を支持して、あらゆる面で支援しています。

 その他、約10名の盲人は占い師をしています。このような種類の仕事は政府からの認めは無いのですが制限もありません。あん摩マッサージと同じように占い師も一般民衆の中では人気があります。

 盲人の多数は、やはり農村に暮らし、その中の多くは栽培業と養殖業をしています。この部分については統計がありません。

 

               3 社会福祉

 中国の残疾人障害等級は4級あり、一番上は1級です。日本の障害者基礎年金と類似して中国の残疾人は障害等級によって、毎年800人民元(約14000円)の手当てが得られます。家庭の単位で残疾人を支えるのは普通です。

 日本の福祉作業所のような福祉工場は昔の中国ではよくありますが、現在は姿を消しています。だが、元の工場職員(福祉工場で働いていた障害者)は、退職しても正職員扱いで退職金は貰えます。 

 

                4 法律       

 中国では「中国残疾人保障法」があり、各地方の政府にも「残疾人連合会」を設置しています。「残疾人連合会」は政府機関に属しており、民間の社会福祉法人ではないのです。             

                おわりに

 池州市には有名な観光地がたくさんあり、空港もあります。そして中国で有名な仏教の名山――九華山もここにあります。

協会の皆さん、留学生の皆さん、そして日本の友人の皆さん、是非遊びにいらっしゃってください。

 私のSkypeは、yanyanjianhui123 です。どうぞ連絡してください。

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事務局より: 次号11月号は、ケニア訪問予定のため発行が遅れます。よろしくご了承ください