NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信61号(2012年3月号)

 

              第6期ケニア講習終了                     

例年になく、長い寒い冬でしたが、皆さまお元気でお過ごしになりましたか。

2012年2月20日~25日、6日間の第6期ケニア講習会が終了しました。これで2009年6月からJICAの受託事業としてスタートした第2プロジェクトが、終了したことになります。

第6期は、受講生15名(第1プロジェクトからのICA受講生7名、マチャコス校卒業生8名、うち初参加者1名)、講師2名、通訳3名、アシスタント2名という体制で実施しました。

授業は講義・実技ともに概ね予定通りに終わることができましたが、実技の方は、受講者数のわりに教室が狭く、机を外に運び出し、床に絨毯を敷き、治療用ベッドを2台も入れるといっぱいで、みんなが動き回るのもままならないような状況でした。

また、受講生たちの技術の到達度にしても、既に7年間学んできて臨床経験もある人から、マチャコス校を卒業したばかりで初参加という人もあり、講師にとっては時間的にもかなり厳しい状況で、講師が一人一人の施術をじっくり受けて各人に技術評をしてやれなかったことが残念でした。今後のフォローアップ講習では工夫して実現したいと考えています。

今回はプロジェクト最終回とあって、この間に学んできたあん摩技術の発表の場、宣伝の場として、こちらからケニアの人々が行き交う場に出ていってデモンストレーションをやりたいと考えていました。

準備段階からJICAケニア事務所の担当者にこまごまとご協力いただき、講習最終日に、ナクマット・ジャンクションという大きなショッピングモールの広場を借りて実施することができました。

 

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デモンストレーションの風景

 

15個の椅子を並べ、ポスターをはり出し、あん摩の効用と受講生たちの居住地・電話番号を書いたビラを通行中の人々に配り始めると、物珍しげに足を止める人が多かったので、開始予定2時の15分ほど前から開始しました。終了予定4時になっても順番待ちの人もあり、結局20分程長引きました。

この約2時間半に、受講生たちはさぞ疲れたでしょう、124名の人々に施術し、あん摩を体験してもらうことができました。そしてそのうちの67名がコメントを残してくれました。(残りの人は書いてくれなかったのではなく、こちらが通行中の人に声をかけたり、希望者を椅子に案内したりしていて、コメント用紙を持っていってお願いする間がなかったのです)

「初体験だが気持ちが良かった、ありがとう」

「全身やって欲しかった」

「視覚障害者の雇用を促す素晴らしいプロジェクトだ」

「またあん摩をして欲しい・・・頑張って!」

などなど。励まされました。

これが、即、受講生たちの経済的自立に繋がっていくとは楽観できないまでも、あん摩の需要があることを確認できました。これを受講生一人一人に伝え、また彼ら自身が見知らぬ通行中の人々をクライアントにしてどんなことを感じたのか訊いてみたいと思っています。

今回のデモンストレーションでも実にさまざまな方々にご協力いただきました。ナイロビ在住の田村良雄さん、多分「通行人」のつもりでおいで下さったJICAケニア事務所の加藤所長ご夫妻(一般の通行人参加者が多くて、とうとう最後まで遠慮されてあん摩を受けられませんでした)はじめJICAの皆さん、それに、ずっとこのプロジェクトをご支援くださっている在ケニア高田大使も、この日は大使館で日本文化祭開催中とあって、お忙しい時にもかかわらず、「通行人」としてわざわざおいでくださり、最後に受講生たちをねぎらってくださいました。

おかげさまで最終回に相応しいデモンストレーションとなりました。

                                (事務局) *************************************                       

              ケニアでの出来事 

                   元福井県立盲学校・福井市 窪田清和

はじめに

ナイロビを中心に会場のYMCAやゲストハウスなどとの移動で、見える人が僕に話をしてくれた内容の一部をトピックス風に書くことにした。

1.激しい季節の変化

福井をたつとき、気温は0度で雪が30cmほど積もった。粉雪だったので非常に冷え込んだ。

午後の汽車で関西空港へ行こうとゆっくりかまえていたところ、JRから電話があり「列車時刻が乱れている」との連絡を受け、あわてて福井駅に行き、汽車に乗った。

夜中の飛行機は順調で、朝、現地時間ドーハは6時で日本の4月の終わり頃の春風が吹いていた。ナイロビに着いたときは、現地時間、昼1時、気温26度で暑くて長袖では汗をかく程であった。1日のうちに、冬、春、夏と、体験した次第である。 

2.咲き誇るブーゲンビリア

ナイロビ国際空港からナイロビ市内に入る道路わきでは、赤、ピンク、オレンジ、白など、ブーゲンビリアが花壇に咲き誇っている。ナイロビ市内も同じである。見える人はこの鮮やかな色に目を惹かれるようである。

3.おいしい韓国料理

私たちが泊まったゲストハウスは韓国人がオーナーで、奥さんの料理がとても美味しい。

僕がこれはいいと思った韓国料理を紹介する。ひとつはチシャというレタスのような葉っぱに豚肉を包んで食べる料理である。おいしくて非常に食欲を増すものである。もうひとつは日本そばにキムチを入れたもので汁はない。少し辛いがたいへんおいしい。冷メンの一種である。

4.あぶない新聞売り

朝、自動車で走っていると、交差点で朝刊を売っている人がいる。車の間をうまく通り抜けながら運転手に朝刊を売っている。

1誌50円くらいでおつりも車を追いかけてうまく運転手に渡しているようである。事故に遭わなければと思う。新聞配達があるのは日本と韓国だけだそうである。

5.ナイロビの花売りおじいさん

ナイロビの歩道では花を売っているおじいさんがいた。歩道を歩いている人に花束を売っているようである。「花をめしませ、めしませバラを」の『東京の花売り娘』」の歌の歌詞が出そう・・・ではない。おじいさんなので…。

その他、とうもろこし、パイナップル、パパイヤ、バナナ、枕(ホテルのクッションのようなもの)を20個くらい体に結わえつけて売っている。渋滞している車や歩道を歩いている人が対象である。これがナイロビ市内の夕方の光景である。目が合うと売りつけられるので目が合わないようにする。

6.自家発電

最後に一時の休息で、ナイロビ市内から車で北へ3時間。ケニア山のふもとナショナルリザーブという森の中に作られた小さなホテルのバンガローで過ごすことができた。原始林の奥にはアフリカ象や色々な種類の猿などが住んでいるようである。

ここの電気は谷川の流れを利用した水力自家発電である。また、シャワーのお湯は坂の上にある大きな釜で、たきぎを燃やしているのである。

朝夕は寒いので暖炉で火をたいて暖をとる。半袖で寝ていると寒いくらいである。原始林の大きな森の一角を切開いた所なので僕には大変な休息になった。

おわりに

今回で第2プロジェクト6回目が終わりすべてが終了した。最後のデモンストレーションは、ナックマットという大きなショッピングモールで行うことができた。受講生のがんばりにより、2時間で124名のクライアントにあん摩の体験をしてもらうことができた。吹き抜けになった場所だったので、2階3階から見ている人もたくさんいた。

ケニアの盲人の職業として、あん摩が普及し定着していくことを期待している。そのために今後も長く協力していきたい。