NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信48号(2010年1月号)

      おくればせながら  新年おめでとうございます

 

大変厳しい経済状況の中、多くの方々からご寄付をいただきました。

心から感謝申し上げます。

昨年末、荒木久子さんのお母様より、荒木さんのご遺志として多額のご寄付が寄せられました。篤くお礼申しあげます。生前、献身的にICAを支えて下さった故人の遺志を生かすべく、有効な使途を考えたいと思っております。

皆さまからもよいご提案がありましたら是非お聞かせ下さい。 (金治憲)

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長年、当協会のカウンターパートナーとして協力してくれているナイロビSOKのディレクター、ゲノさんからICAへの希望が寄せられました。

皆さまからもご感想、ご意見などいただきたく、ここにご紹介します。

 

              ICAへの希望

                   SOKディレクター  マイケル・ゲノ

SOKはケニアで視覚障害者の支援活動をしている非営利慈善団体です。私たちは活動を通じてICAとのつながりをもちました。おかげで、ケニアの視覚障害者はそこから大きな恩恵を受けることになりました。

 

ケニアの視覚障害者に関するICAの役割は、あん摩技術の実習や、あん摩技術を身につけるにあたって必要な基本的医学知識を彼らに指導することです。

あん摩技術で自立している講習生たちは、ICAからあん摩技術を学びました。

ここで、さらにあん摩を発展させていくために私たちは次のような希望を伝えたいと思います。

・もっと多くの視覚障害者があん摩技術を学べるようにすること。

・マチャコスの視覚障害者技術訓練校(MTIB)のような、視覚障害者 があん摩を学べ る施設をつくること。

・あん摩に関する最新の技術・情報を提供すること。

・技術を学んだ修了生たちのフォローアップをすること。

・年に1度は、選ばれた修了生が日本を訪問できるようにすること。

 

修了生たちが、彼ら自身の治療所を持つことや、現在、治療所として使っている家の家賃を援助するというようなことも必要ではないかと思います。

最後に私たちは、もっともっとあん摩が認知されるよう宣伝していきたいと思います。

特にクライアントを増やしていくためには(ナイロビ以外の)ケニアの各地方にも宣伝を広げたいと考えています。他に、美容院や健康のための施設、さらにJICAのような公的機関などとも関係を広げていきたいと考えています。

支援を続けてくださっていることに感謝いたします。

 

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        ケニアより赴任の挨拶と現在の状況報告 

 

                            2010年1月22日

               青年海外協力隊 鍼灸あんま指圧師 徳永英将

こんにちは、はじめまして、青年海外協力隊の徳永英将です。2009年9月29日に、前任者の五味哲也氏の後任としてケニアに派遣されました。

11月上旬、当地マチャコスに赴任となり、1月の新学期より4人の生徒にあんま・指圧を指導しています。派遣にあたり、わたしのケニアでの主な任務は、配属先であるマチャコス視覚障害者技術訓練校にてあんま・指圧の指導、カリキュラムの作成を行い、あんま・指圧科を確立することです。

また、ICAの講習会参加者の技術補完・活動の把握、支援なども私の任務の一つとなっています。

まず、ケニアに来てあんま・指圧に関して感じたことは、ICA、五味氏が行ってきた活動が、確実にここケニアに根付きつつあるということです。

ナイロビでは、ICAの生徒をはじめ、マチャコスの卒業生もそれぞれ勤務、訪問と形態は違えど、自分の腕で収入を得て、家賃を払い、家族を養って生活をしているのです。ここマチャコスでも、五味氏の教え子の二人がクリニックを開業し、現在も施術を行っています。

すべてが順風満帆、と言いたいところですがやはりそうはうまくはいかないようです。

ケニアにおいてあんま・指圧はまだまだ始まったばかりで、まだまだ知られていません。首都ナイロビにおいても、限られたほんの一握りのケニア人と、ナイロビ在住の日本人や外国人の顧客に頼っているのが現状です。

そのため、各施術者達は、顧客をほかの施術者に取られてはならないと疑心暗鬼で、お互いをけん制しあい全くまとまりがないのが現状です。

いずれ自分の国に帰国してしまう外国人を主たる顧客としている今の形態では、将来が危ぶまれます。

現地NGOのゲノ氏によると、地方においてのあんま・指圧師の状況はもっと悲惨で、せっかく技術を得ても、地方では全くと言っていいほどあんま・指圧は知られておらず、顧客も皆無といった惨憺たる状況であるという情報も入ってきています。

また、技術的な問題に関するクレームも多く聞いています。特に日本の施術に慣れている日本人たちの求めるレベルは高く、そのうえその場で施術者には問題を伝えることは稀で、施術者は気付かないまま顧客を失っている厳しい現実もあるようです。

技術の幅や、顧客や症状によって技術を使い分ける応用力がないのも問題の一つのようです。その他、「あの人たち可哀相だから行ってあげている。」という何とも腹立たしい意見も頂いてしまいました。しかし、これも現場の実際の貴重な意見の一つかもしれません。

という具合に課題はいろいろとありますが、このような問題が出てきたということ自体、ケニアにあんま・指圧師が実際に存在し、様々な障害と格闘している証明ではないでしょうか。

ICAのプロジェクト発足時や五味氏の活動時から比べると贅沢な悩みと言えるかもしれません。とりあえず目の前の障害を、ひとつひとつ一緒に乗り越えていきたいと思っています。

赴任時から今日1月下旬までにナイロビの施術者、マチャコスの施術者の全員と会い、また、ナイロビにてミーティングも行い、上記の問題について話をしました。

ナイロビの施術者はお互い顔を合わすこともめったにない様子で、よそよそしい感じでしたが、これからのケニアのあんま・指圧を考えると、協力しないといけないということには全員が一致していました。

ただ私が付け加えたのはみんな全員がライバルで、どんどん競争するようにということでした。このことを意識したうえで、勉強会やイベント参加、私独自の活動など、基本的な情報の共有をすることにより、技術の研鑚に対する貪欲さや向上心を持ってくれればいいと思っています。

また、私が収集した情報の中に個人で活動していたのでは、手にすることのできない貴重な情報もあるということに気づいてもらえたようで、情報の共有の重要性も理解してもらえたのではないかと思います。

月1回もしくは2カ月に1回で開催予定の勉強会やデモンストレーションなどのイベント参加も自由で、本人の意思に任せようと思っています。なので、遅れていく人間はどんどん遅れていくということになっていくと思います。また、これから様々な活動を行うにあたり、ケニアのあんま・指圧師としての団体の設立の重要性も話しましたが、これはまだまだ先のことになりそうです。

地方在住の施術者へのサポートとしては、マチャコスでは1月下旬にチラシの配布を行い、現在反応を待っている状態で、2月中にデモンストレーションを予定しています。その他の地域は、学校のターム休み期間中に訪れ、その地でもデモンストレーションを行っていく予定です。

その他、ケニア在住日本人の協力により、ケニア政府高官にケニアにおけるあんま・指圧に関する活動を紹介する機会を作っていただきました。3月開催予定のICAあんまデモンストレーションには参加していただける予定です。

また、あんま・指圧がケニア全土に周知されるためには、メディアへの露出が最も重要な手段の一つと考えています。

マチャコス視覚障害者技術訓練校では一局だけですが、テレビの取材を行いました。引き続き各メディアへの働きかけを続けていきたいと思います。

私の任期は2年間しかありません。すでに約4カ月が過ぎてしまいました。ケニアのあんま・指圧の輝かしい未来に向かって、皆さんと一緒に全力で突っ走っていきたいと思います。どうぞこれからも宜しくお願い致します。

昨年7月ナイロビ滞在中、田村良雄さんの紹介で金理事長の針治療を受けられた政府高官D氏がその効果に驚かれ、是非もう一度、と8月の講習時にも針治療を受けるために講習会場にみえました。

D氏は視覚障害者たちに接したのは初めてのようで、受講生たちの明るさに圧倒されたようでした。その折に、あん摩の普及活動にも是非協力したい、3月のあん摩デモンストレーションにも参加したい、マスコミにも働きかけたい、との心強いお申出がありました。ありがたいことです。

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例年どおり、余った年賀状や書損じ葉書を集めています。

これは切手と交換して『あいか通信』の発送に使わせていただいています。

どうぞよろしくお願いします。               (事務局)