NPO法人 視覚障がい者国際協力協会(ICA)

視覚障がい者の自立を目指して

あいか通信45号(2009年7月号)

             

            暑中お見舞い申し上げます

西日本の大雨の被害が大きく報じられています。西日本の皆様に大きな被害が及んでいないことを祈りつつ、お見舞い申し上げます。

去る6月28日から7月5日までケニア第二プロジェクトの事前調整のため足立プロジェクトマネージャーとケニアに行ってきました。詳しい報告は足立さんが書かれています。お読みください。

事務局は今、事前調整の事後処理と、8月3日から始まる講習にむけての諸準備に追われ慌ただしい毎日です。

前号に、ご寄付をお願いする振替用紙を同封させていただきましたところ早速多くの方々から暖かいご支援が寄せられました。ほんとうにありがとうございます。

しかしこの不況下です、例年に比べると口数・額ともに減っています。前号にも書きましたがケニアでの二つの事業を是非とも成功させたいと全力投球しております。

事務局も、ケニアでは宿泊先に安いゲストハウスを探すなど経費節約に努めております。協会の厳しい台所事情をご理解のうえ一人でも多くの方々からご協力いただきたく切にお願いいたします。

暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。

なお8月1日から11日まで、ケニア講習のため事務局は留守になります。 

                                 事務局

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   第二プロジェクト(ケニア)開始へむけて -事前調査報告- 

                理事・プロジェクトマネージャー 足立房夫

ICA「第二プロジェクト」は6月10日 3:00PM から、JICA広尾事務所とJICAケニア事務所を衛星テレビで繋いで、プロジェクトの目的とその内容を確認し具体的にスタートしました。 

1. 日本大使館・JICAケニア事務所への協力依頼

早速6月28日(日)~ 7月5日(日)までの一週間、金理事長と森山さん共々現地を訪問し関係する方々に、理解と協力をお願いして参りました。先ず、在ケニア日本大使館・JICAケニア事務所を訪問し、岩谷大使・高橋所長に改めてプロジェクトの内容説明と具体的な協力をお願いしました。

 

大使館では、既に岩谷大使や奥さんが、ケニアからの初めての盲留学生であった人からあん摩施術を受けているとの嬉しいお話を伺いました。

そして、2010年3月12日あん摩のデモンストレーション会場として日本文化センターの使用や、ケニア政府関係者の方々の参加を働き掛けることについて快諾をして貰い、前向きな理解と協力を頂き安堵いたしました。

JICAケニア事務所も6月10日のキックオフを受けて、第二プロジェクトに対して全面的なご支援・ご協力を確認して頂きました。

具体的には、8月3日スタートする講習会・開講式への出席、デモンストレーション開催の為の諸準備への協力、そして、五味隊員の任期満了に伴い中断していました国立マチャコス視覚障害者技術訓練校「あん摩コース」が、今秋11月より新たに派遣される協力隊員によって再開されるとのことでした。

たまたま私が係わっています「(社)協力隊を育てる会」との関係で、ケニア全土に派遣されている青年海外協力隊員やシニア・ボランティア50名のフォローや技術指導、等を行っている、「調整員」の方々(5名)とわざわざ別途に会食・懇談の場を設けて頂く等、ICAプロジェクトへの心強い対応を確約して貰いました。

 

2.SOKケニア代表・国立マチャコス視覚障害者技術訓練校(以下マチャコス校)校長と意見交換

向こう3年間に亘って年2回(8月・2~3月)開催する講習会を支えて貰う、現地カウンターパートSOK(Salus Oculi Kenya)ケニア代表MichaelNg’eno氏、元留学生フィリゴナとは、講習会は講習生たちの慣れ親しんでいるYMCAを会場とする事、第一プロジェクトの講習生10名の外に、マチャコス校卒業生の参加についても積極的に呼び掛ける事を確認しました。

一方、第一プロジェクトの世話役として参加しているフィリゴナも含めて、視覚障害者への技術訓練校として「あん摩コース」開設に理解を示され早速実施されましたマチャコス校Francis Saya校長との面談では、第二プロジェクトの講習を通して、優秀な講習生を教員として登用する可能性や日本の盲学校で取得した資格で、教員登用の可能性について話し合いました。

その結果、マチャコス校の教員への道は、あくまでケニアの教員資格取得制度に則りその課程を修了しなければ、教員への道は開かれない現実を知らされました。

プロジェクト講習修了生が教員に登用されるには、セカンダリースクールの教員免許が必要とのこと。私どもの講習生の中にはプライマリースクールの教員免許所有者が2名いますが、もっと頑張ってセカンダリーの資格をとる必要があります。

更にICAが「第二プロジェクト」と同時に取り組んでいます「治療院開設支援事業」について、SOKケニア代表Ng’eno氏、フィリゴナと具体的に突っ込んだ話し合いを持ちました。ICAとして治療院開設支援事業を進める上で、現在ナイロビ在住の講習生があん摩治療室として使用しているSOK事務所を初めて訪問しました。

治療室としてSOKケニア事務所(のキッチン)を使用している現状を確認するとともに、本格的な治療室としてSOK事務所を使用した場合、キッチン以外に使用可能な部屋があるのか?あるとすれば使用料金の負担をどうすべきか?などについて話し合いました。

SOKケニア事務所を治療室として使用した場合、現在、SOK事務所から出たがっている講習生の意見を、十分に聴取しながら当事者同士が十分に話し合い、従来通SOK事務所の使用スペースをキッチン以外の部屋へ拡大して開設するか、講習生が希望する外部に開設するか、其々のケースで費用負担の分担は如何するのか等について、8月の講習会開催までにある程度まとめておく事と、更に講習生の自立へ向けた治療院開設は、前提条件として自らの責任の自覚と、社会人としてのルールを守り、相互に助け合う事の大切さを認識しなければ不可能である事、それらの事柄を確りと自覚し実行する為にSOKと講習生は、それらの事柄を文書にして確認し、実行する事を8月までの「宿題」と致しました。

従いまして、講習生の自立に向けた治療院開設支援事業の具体的計画は、8月以降の話し合いに委ねる事となりました。

ICAとしては、SOKケニア代表Ng’eno氏と講習生との話し合いが何処まで出来るのか、そして講習生自身、視覚障害者の自立へ向けた強い意志と視覚障害者を取り巻く厳しい環境を乗り越える為の決意が示された時、この事業は初めてスタートする事ができます。

 

3.田村良雄氏の情報助言と協力が「鍵」

今回の事前調査を通して、ケニア在住の田村良雄さんには大変お世話になりました。田村さんは、昭和46年1次隊・空手隊員としてケニアに派遣されました。協力隊員として空手普及に尽力され、協力隊員の任期終了後もケニアを離れずに活動を続けられています。現在も日本文化センターで週2回、空手の指導にあたり、子供から社会人まで幅広い層の練習生、約60名の指導に当たっています。

 

その一方で障害者支援の活動にも取り組まれており、ICA第一プロジェクトについても、開始の時からずっと現地で支援をして頂きました。

田村さんは、現地障害者の事情にも詳しく視覚障害者の状況についても、幅広い情報を元に貴重な助言を頂ける方でもあります。

第二プロジェクトを実施する上で田村さんの存在は、ケニア人の気質・部族間の確執・行政関係へのアプローチの仕方等、ケニア社会の動向や情報を得ながら、ICAとして二つの事業を展開する上で貴重な存在であり、カウンターパートとしての「SOK」自立を目指す講習生の「意識改革」を総合的に判断しながら、二つのプロジェクトを同時に推進する上で、田村さんとの信頼関係を一層強められた事は極めて幸運であり、実り多い「事前調整」の旅となりました。

終りに、二つのICAプロジェクトに対しまして、皆様の尚一層のご支援ご協力をお願い申しあげ、事前調整報告と致します。